【2021年秋シーズン 準決勝】VS サムライP “諦めない気持ち、繋ぐ野球”

ヤンプターズファンの皆様、大変お待たせいたしました。
ブログ担当ゴリラ、通称BTGの大石で御座います。
いやはや、前回の記事は皆様に多大な負担を与えるほどの長文記事と成ってしまい、大変失礼致しました。
どんな長文でも内容が面白ければ恐らくは問題ないのですが、問題は内容の太宗がBTGの海南旅行記であったということです。おまけにウ〇コがどうのこうのと、小学3年生のボキャブラリーでお送りしてしまったのですから、もう穴が有ったら掘り進めたいくらいの恥ずかしさです。この場を借りまして改めてお詫び申し上げます。誠にすいまめん。
ジョイマン風だと謝罪の感じが伝わらないですよね。誠にすんまそん。
旧おさる、その後もモンキッキーをはじめとした改名を重ねて最終的には現おさるとなった芸人風の謝罪で失礼致しました。

尚、おさるは細木数子さんのアドバイスによりモンキッキーに改名したわけなんですが、とんでもないアドバイスですよね。
“地獄に落ちるわよ“と言い放っていた細木数子さんですが、第三者として冷静に見れば、そういった改名を通して芸能人を本当の意味で地獄に落としていたのが細木数子さん本人であることは、火を見るよりも明らかです。
そもそも、おさる⇒モンキッキーという改名を行えば売れると、何故そう思ったのか。
これは本人サイドにも責任がある。
確かにバカルディ⇒さまぁ~ずや、海砂利水魚⇒くりぃむしちゅーといった、改名を通して売れた芸人は存在しますが、いずれも心機一転を図ったものであり、旧芸名とはあまり関係ない改名です。
但し彼のケースはどうか。おさる⇒モンキッキーですよ。おさるからモンキッキー。
おさるからもんきっきー。はい、読者の皆さんも口に出して言ってみましょう。
 
おさるからもんきっきー。
 
なんも変わってないよね。猿から猿だよね。意図を教えてほしいよね。
これはもう地獄以外の何物でもないよね。
 
“どーも、モンキッキーです!”
 
自分の父ちゃんがモンキッキーと名乗ってること想像してみ?
 
病むやろ。
 
皆さん、改名にはほんとに気を付けましょう。尚、細木数子が地獄に落とした他の芸人改名シリーズとして、X-GUN⇒丁半コロコロ、というのが有ります。
もう地獄通り越して煉獄やろ。
 
・・・とまぁ、冒頭で冗長な記事を謝罪しておきながら今週も全く同じことを繰り返すという、反省の色があまり見えない筆者ですが、今回の前文はこの程度にしておき、試合の振り返りを主としたいと思っております。
 
前回の予選トーナメント3連勝から2週間が空き、その間に練習を行いながら英気を養っていたヤンプターズ一同。今週からは決勝トーナメントに突入し、負ければ即敗退という後がない状況での闘いとなります。
優勝まではあと2勝。
今週の相手は昨季王者のサムライPです。激戦必至のこの試合、勝利の女神はどちらに微笑むのか。それでは早速、当日の様子を振り返っていきたいと思います。
 

ーーー
雲一つない快晴。
試合開始は13時からと、天候の恩恵も受けられるベストコンディションである。
ヤンプターズ一同は試合開始に先立ち、有志者が集い、バッティングセンターで汗を流したのちに球場入りを果たす予定である。
バッティングセンターで打ち込む選手の姿を眺める魚井ヘッドコーチはダミ声でこうつぶやく。
 
“zasxdcfvgbhnjm,.l;swedrftgyhjuedrftgy”
 
何と言っているか全くわからない。
もう一度耳を澄ますと、
 
“皆のバッティング見てたら勝てる気しかせんわ”
 
そう呟いていた。・・・ようだった。
完璧に聞き取れたわけではないが、魚井ヘッドコーチも恐らく、試合前に汗を流す選手達のスイング、そしてその気合を感じ取ったからか、勝機は必ず有ると踏んだ様であった。
 
試合前の打撃練習に励む選手だが、その裏には、相手投手に対する警戒が透けて見える。

というのも相手の先発投手は未だ20代と若く、且つ大学時代は東京六大学での投手を務めていたというリーグ屈指の好投手であることが想定された。
実際に、この投手を擁したサムライPは、2021年春シーズンの覇者となっている。
直球の速度もさることながら、変化球のキレやコントロール、またその風格も一級品であり、春シーズンは貧打に苦しんだヤンプターズの天敵とも言える存在であった。
 
然し、我々はこの立ちはだかる壁を越えなければならない。
その一心で、ヤンプター達は必死にバットを振っていたのである。

球場に向かう時間が迫り、バッティングセンターを後にするヤンプターズ。
心なしか、移動のバス内の空気がやや張りつめている。
 
負けたら終わり。
 
その状況が選手の気を一層引き締めているのだろうか。
そんなことを考えていると、ヤンプターズを乗せたバスは目的地である球場に辿り着く。
ヤンプターズにとって山場となる準決勝。本日のオーダーは以下の通り。
 
1-6 三木
2-9 坂本
3-5 塩谷
4-1 椿
5-7 大石
6-2 中西
7-3 筧
8-4 石田
9-8 山田
控:蒲生、魚井、神村、中井、田中(倫)
 
1番にはヤンプの誇るスーパーユーティリティ野球神・三木が座り、2・3番には酒乱筋肉鎧若武者・坂本、太っちょ忍者バレリーナマジシャン・塩谷が夫々続く。4番には、前の試合で投打に亘って一騎当千の働きを見せた椿が引き続き鎮座。5番には心機一転、レフトのポジションに就く大石。6番には、前の試合でホームランを放ち、椿と同じく攻守に亘って大車輪の働きを見せた中西が控える。そして注目すべきは7番に座る男、筧である。
公私ともに繁忙な筧、今シーズンはこれが初参加。然しヤンプ最古参の1人であり生粋のエンターテイナーでもあるこの男はヤンプの起爆剤でもある。先発起用となったこの試合、何かやってくれることだろう。8番はヤンプのいぶし銀・石田が座り、9番の殿はヤンプのBBQロン毛副キャプテンこと、山田が務める。
蓋を開けてみると、筆者を含むこの試合の外野は1992年世代が陣取り、その連携が問われることとなった。
控えにも、監督の蒲生、ヘッドコーチの魚井をはじめ、ヤンプの飲んだくれ泥棒髭ヤンキーこと神村、全日本敬語選手権ファイナリストこと中井、爽やかイケメンイングリッシュ少年こと倫太郎と、どのような場面にも対応できるメンバーが控える。
 
そんなヤンプターズ、今日は先攻でスタート。
先ずは迎えた先頭の三木。相手投手もまずは様子を見ているのか、ストレートや変化球を織り交ぜながら投球を組み立てる。カウント1-3で迎えた5球目、三木がバットを振り抜くもライトフライに倒れる。続く坂本、俊足を誇るが故に何とか塁に出たいところ。相手投手もまだ全力投球の様子ではなく、制球を意識した立ち上がりに見えたが、3球目に投じた球が坂本の背部を直撃し、デッドボールで出塁。
1アウトランナー1塁と、先制に期待がかかる場面で迎えるは、3番に座る塩谷。
最近、守備でのフォーカスが当たりがちだが、この男の持ち味は勝負強い打撃である。
後輩である筆者からは太っちょ忍者バレリーナマジシャン等といイジられてはいるが、東京六大学野球でスタメンを張っていたその打棒は、疑う余地はない。
初球はあっさりと見逃した塩谷、続く2球目にヤンプベンチが動く。
ピッチャーが投球動作に入るや否や、すかさず1塁ランナーの坂本が走り出す。
サインはエンドランだった。
ミート力にも定評がある塩谷、簡単に転がすだろうと思っていたその時。
塩谷はピクリとも動かずにキャッチャーのグラブにボールが収まる。
そしてそのままキャッチャーが二塁へ送球すると、スライディングする坂本の足が先に2塁ベースに到達していたかに見えたが、判定はアウト。貴重な追加点のチャンスから一転、2アウトランナーなしに代わる。
先ほどの投球がストライクと成り、追い込まれた塩谷、しかし続く3球目をライトに運び、何とか出塁。
この場面で長打の期待がかかる椿であったが、狙っていたストレートを打ち損じてしまい、ショートゴロ。初回からランナーを出すも上手く噛み合わず先取点ならず。
まだ慌てる時間ではないとばかりに、ヤンプ一同が各々の守備位置に向かう。
 
攻守が変わった1回裏、先頭からしぶといバッターが並ぶ相手打線。
立ち上がりが気になるエース・椿であったが、さすがはエース。これを三者凡退で退ける。
 
続く2回はヤンプ・相手共に無得点と成り、迎えた3回。
ヤンプの攻撃、先頭は8番の石田。相手投手も2イニングを終え、エンジンがかかってくるタイミング。
相手投手がゆったりとしたモーションから、力を入れて投じた初球。
石田がバットを軽く降り抜くと、相手の豪球もものともせず素直な打球がセンターに放たれる。
ヤンプの誇るいぶし銀。過去にはバンド活動に勤しみ、見た目とは裏腹に亭主関白、“茶、あらへん”と奥様に強硬姿勢を見せることもありながらも良きパパでもあるこの男が、突破口をこじ開ける。その特徴的な笑い声である“カッカッカッ”という響きが今にも聞こえてきそうなほどに完璧な打球。
バッティングセンターでも、魚井ヘッドコーチより直々に“qwertyuiopasdfghjkl(実際の打席もマシンを打つ感覚で打ったらええ)”というアドバイスを受けていたが、その通りのバッティングを見せたのである。
続く9番山田。まずはこのランナーを2塁に送りたいヤンプ、サインはバント。山田も必死に食らいつくも、相手投手の豪球がそれを許してくれない。その結果、セカンドフライに倒れる。引き続き何とかランナーを進めたいところではあったが、1番三木はセンターフライ、2番坂本が三振を喫するなど、ノーアウトランナー1塁の好機を生かしきれない。
好投手を前に攻めあぐねるヤンプターズ。
ランナーを出すもののなかなか得点に結びつかない展開が続く中で迎えた、その裏の相手の攻撃。

ここまで完璧な内容を見せていた椿だが、先頭打者に左中間を抜かれるツーベースヒットを浴びてしまい、ノーアウトランナー2塁と極めて苦しい状況を迎えてしまう。
その後、1アウトは何とかもぎ取るも、続く打者に四球と死球を与えてしまい、ピンチが1アウトランナー満塁にまで広がる。
そして迎えた相手の2番打者、初球からヒッティング。打球がピッチャー前のボテボテのゴロとなると、椿がこれを捌き、ホームへ転送。三塁ランナーはフォースアウトと成り、無失点のまま2アウトまで何とか漕ぎつける。
続くは、相手打線で最も警戒が必要な3番打者。以前の試合でも幾度となく痛打を浴びたこの打者に、椿・中西バッテリーが立ち向かう。
初球はうまく変化球でストライクを取り、投じた2球目。バッテリーの選択はストレートだった。
相手バッターがこれを振り抜くと、放たれた打球は無情にもセンター前に転がってゆく。
この間に3塁ランナーは生還し、相手チームが先取点を挙げる。2点目は死守せねばと、センター山田がボールを捕球すると、その体躯からは想像もつかない矢のような送球が内野に放たれ、塁を回りかけていた相手の2塁ランナーはストップ。このヒットで与えた失点を何とか1点で留める。しかし続くは相手の4番、これ以上の失点は与えたくないバッテリー。椿も鬼の形相で相手と対峙すると、鋭い変化球で何とか三振に切ってとり、大量失点も有り得た満塁のピンチを最少失点で切り抜ける。
何とか反撃をしたいヤンプターズであるが、4回表の攻撃も2三振を含む三者凡退に抑え込まれてしまう。
既にこの4回迄に5三振を奪われたヤンプターズ。
相手チームの誇る、リーグきっての好投手が、優勝を目指す我々に大きく立ちはだかる。
 
続く4回裏の相手の攻撃。
先頭こそ凡打に切って取るが、続く6番打者に右中間に運ばれ、1アウトランナー2塁のピンチを再度背負う。
然し、ここでそのまま追加点を献上するヤンプターズではなかった。
これ以上の失点は与えまじと、エース・椿が再度奮起。後続の打者をピッチャーフライ、三振に封じ、相手にホームを踏ませない。
 
0-1、点差は1点。然しその1点がヤンプターズに重くのしかかる。
加えてヤンプターズにとっては不運なことに、規定の時間制限によって、この白熱した攻防の結末は続く最終回に委ねられることとなった。
 
泣いても笑っても最後の攻撃となる5回表、ヤンプターズの攻撃。
先頭は、6番の中西から始まる。
初球、相手投手が放った球は、クライマックスを迎えんとの勢いを携え、キャッチャーミットを鳴らす。然し、球威の衰えない相手投手を前に、中西も一歩も引かない。
迎えた2球目、中西がバットを振り抜くと、やや差し込まれたか、小フライが投手後方に飛んでいく。
中西が一塁に向かって走り始め得ると、フラフラっと上がった打球はセカンドの前方にポトリと落ち、なんとこれがヒットに。そしてヤンプターズは逆転を信じ、家族を含めたメンバー全員が声でチームを盛り上げる。
何とか、先ずは1点を―――
打席に立つ7番筧に対してベンチから出されたサインは、バント。
これまで、相手投手の豪球を前にバントをうまく決められなかった場面もあっただけに、祈る様な視線が筧に集まる。
今季初参加にして迎えたこの極めて重要な局面。並の人間ならこのプレッシャーに圧し潰されるかもしれない。然しこの男なら―――
 
サイン通り、バントの構えを見せる筧。それを相手投手の豪球が襲う。
臆せず差し出されたバットは、そのボールの打球を完全に殺す。
勢いが完全に死んだ打球は、完璧なバントとなる。
いや、筧のバントにより放たれたボールの勢いは死んだのではない。
 
死に絶えていたのだ。
 
斯くも完璧なバント。そして決死の思いで1塁に向かい疾走する筧。
捕球に向かう相手捕手も、完全に死に絶えたボールの勢いに脳の処理が追い付かず、打球を通り過ぎてしまい捕球が出来ない。
結果、打者の筧もセーフ。無論、1塁ランナーの中西も無事に2塁を陥れることに成功。
ノーアウトランナー1・2塁と、この試合最大の山場を迎える。

続く8番石田に対しても、1アウトを献上してもいいからランナーを進めるべく、引き続きバントのサインが出される。
然し、相手の投手もこれに更に気合を入れ直したか、これまでにない速球を投げ込む。
対する石田も必死に食らいつくが、スリーバント失敗。チームプレイに徹した石田が倒れてしまう。
1アウトランナー1・2塁と成り、迎えるは9番山田。前の打席はバントを試みるも失敗してしまっているだけに、この打席で挽回したいという気概が全身から漲る。
山田が打席に入ると、ランナーコーチャーボックスからサインを出す魚井ヘッドコーチに視線をやる。
 
淀みなく出されたそのサインは、またしてもバントであった。
 
意を決してピッチャーに相対した初球、バントを試みるも、ボールの圧に負け、ファールに。
再度、魚井ヘッドコーチの方へ目線を配る。サイン交換が終わると、こくり、と頷く山田。
依然として魚井ヘッドコーチの選択はバントであった。
3つのボールを挟み、カウント1-3で迎えた4球目。
相手投手のボールをこれまたうまく殺し、汚名返上となる犠牲バントを確りと決めていく。
 
2アウト、2・3塁。
絶体絶命。
 
土俵際まで追い込まれたヤンプターズだが、ここからは打順がトップに返り、迎えるは1番・三木。
その佇まいは至って冷静だが、その眼の奥には大火が燃え盛る様な熱きものを感じさせる。
 
―――俺が決める。
 
ゆっくりと打席に入り、いつものルーティーンを済ませて迎えた初球。
 
バゴッッッッッッッ
 
相手ピッチャーの放った今日一番の速球と、三木が衝突する。
 


・・・・バットではなく、背中で。
 
一打必殺と言わんばかりに集中し切った三木であったが、無情にも相手投手の投じた球が、三木の背中のド真ん中に当たったのだ。
その場に膝から崩れ落ちる三木。
自分が決められなかった悔しさと、出塁を果たす嬉しさが複雑に入り混じりながら、三木が一塁へ歩みを進める。
この三木のデッドボールで2アウトランナー満塁。
 
迎えるは、これまで幾度となく結果を出してきた2番、坂本。
初球は大きく外れ、続く2球目を坂本が振り抜くも、上手く捉えきれずファール。
然し、タイミングは完璧に合っている。
迎えた3球目、相手投手が投じた球はスライダー。左打者の坂本の腰辺りから、鋭くインサイドに沈む。
厳しい球と判断した坂本、これを回避すべく投手に背を見せるようにし、身体を捻る。
その時だった。
インサイドに切り込んできた球が、そのまま坂本の右膝を直撃。
判定は、デッドボール。
これで押し出しとなり、思わぬ形でヤンプターズがこの試合初めての得点を奪取する。
歓喜に沸くヤンプターズベンチ。
 
然し、これで終わったわけではない。まだ試合が振出しに戻っただけである。
加えて、この試合はヤンプターズが先攻。相手の裏の攻撃を控える上に、規定上、引き分けとなった場合は相手チームの勝利となる。即ち、ここで攻撃が終わった場合、自動的に相手の勝利となるのである。
 
迎える打者は、3番、塩谷。
ここまで幾度となく、勝負所でチームを救う安打を放ってきた塩谷だけに、ヤンプターズ全員の期待が、その背中に集まる。
相手投手もふぅっと息を吐き、ここだけは譲らないとばかりに、塩谷と相対する。
投じた初球。相も変わらず衰えない球威を携えたボールを、塩谷が降り抜く。
 
然し、打ち損じたのか、無情にも打球はキャッチャー後方の小フライ。


―――万事休すか。
 

ボールを追いかける相手捕手。

或る者は空を見上げ、或る者は祈る。
 
その祈りが通じたのだろうか。
野球の神はどちらの肩を叩くのか、未だ決めかねている様だった。
 
なんと、相手捕手がボールの落下点に入るものの、これを落球。
これで終焉かと思われたゲームは、まだ続く。
 
塩谷はほっと胸を撫でおろすと、一度ふぅっと息を整え、改めて相手投手に対峙する。
そして直後の3球目。
左打者である塩谷のアウトコースに、速球が投げ込まれる。
塩谷が少し崩されながらも、バットを確り振り抜くと、綺麗な打球がショートの頭上に放たれる。
相手センターもこれに対して全力でボールを追いかけ、頭から飛び込む。
 
抜けてくれ―――
 
そう祈るヤンプターズ一同の目には、左中間を切り裂く白球が映っていた。
 
再度、一層歓喜が木霊するベンチ。
塩谷の放ったツーベースヒットにより2点を追加し、これで3-1。
この試合、初めてヤンプターズが相手チームをリードする。
 
この展開に、喜んでいたのも束の間、ドゴッと鈍い音が響き渡る。
続く4番の椿も、手元ギリギリまで速球を引き付け、右中間を深く破る2ベースヒットを放ったのだ。
この椿のヒットで更に2点を追加し、5-1。点差を4点まで広げる。
続きたい大石であったが、息を吹き返した相手投手に三振を喫してしまう。然し乍ら、最終回2アウトの土壇場から一挙5点を挙げ、逆転に成功する。
次の相手の攻撃を抑えれば勝利。そして、そのマウンドには引き続き椿が上がる。
 
前の試合は最終回に危ない展開を見せたが故に、より一層気を引き締めるヤンプターズ。
油断は禁物ということは、誰もが分かっていた。

無論、マウンドに上がる椿も。
 
ここまで球数を投げさせられていた椿であったが、今までのどのイニングよりも最高の球を投げ込む。最後の打者も三振に切って取り、最後の相手の攻撃も三者凡退に封じ込める。
 
ゲームセット。
 
ヤンプターズは、序盤に相手に先制される苦しい展開ながらも、ヤンプターズらしい繋ぐ野球、そして最後まで諦めない気持ちを武器に、9回2アウトから逆転を果たし、準決勝も勝利を手にした。
 
残るは、一戦。
 
決勝戦の相ては2019年秋の決勝戦に敗北を喫している因縁の相手。

然し、そんなことは関係ない。

ヤンプターズのベンチも含めた全員で繋ぐ野球、そしてこの最後まで諦めない強い心が有れば、自ずと勝利は掌中にある。
 
泣いても笑っても、あと一戦。
 
余すところなく、楽しんでいこうか。
 
ヤンプターズの戦いは、まだまだ続く。


(写真①:決勝タイムリーを放った塩谷)
(写真②:追加点となる二塁打を放った椿)
(写真③-⑤:死球を喰らう三木の3コマ劇場)

上海草野球チーム「ヤンプターズ」公式サイト

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