2021年10月16日 秋シーズン第1節 "新シーズン開幕だっちゃ!"

ヤンプターズファンの皆様、漸くこの季節がやってきました。
そう、2021年・秋シーズンの開幕です。
昨季の2021年・春シーズンはヤンプターズらしからぬ不甲斐ない結果に終わってしまっただけに、秋シーズンこそ昨年秋季ぶりの優勝を果たしたいと息巻くヤンプターズ一同で御座います。
そして、本記事もヤンプターズの誇る春シーズン本塁打王兼ヤンプターズの広報担当こと、大石がお送りさせて戴きます。
それでは早速、当日の様子をプレイバック!
 
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前日の曇天が引き続き、朝から雨予報の今日。試合開始は15:30からと、普段はなかなか経験のない、夕方からの試合。朝から天気への不安と新シーズン開幕に対する期待に胸をソワソワさせながら、各々の家で試合への準備を進めるヤンプターズ。
天気への不安を他所に、小雨は降っているものの試合は挙行可能との連盟からの連絡を受け、引き続き準備を進めながら集合時間を待つ。
ふと思うと、いつかの記事で筆者は春シーズンのヤンプターズの試合は極めて早い時間が多いと不満を漏らし、我々は早朝からカブトムシを取りに行くような短パン虫取り少年ではない、との強硬姿勢を示していたが、今日の15:30からのプレイボールは、果たしてそれへのあてつけなのだろうか。
15:30というのは、おやつ時も過ぎ、昼飯も一部消化しきれていないような極めて微妙な時間帯だ。今思えば、早朝に野球の試合を楽しみ、昼から勝利の美酒に酔いしれ、夜はクソして寝るだけ、というサイクルは斯くも幸せな時間だったのかと、早朝からの試合に対して不平・不満・苦情・Complaintを漏らしていた自分をやや恨めしく思ったが、或る意味これもいい経験なのだと自分を言い聞かせた。

はい、出ました。大石恒例の試合前の前文が無駄に長い問題。しかし皆の衆、今日の前文はまだまだこれで終わりではない。なんと、今日は1名の新たなヤンプターを迎える予定なのだ。

春シーズンにも新たな戦力を追加したヤンプターズだが、秋にも新たな戦力を迎えることは、おじさん一同として非常に嬉しいことは言うまでもない。各々の体に鞭を打ち、時には肉離れだと主張しても強行出場させられることもあったような時期を思い返せば、新戦力の追加は願ってもないことである。
事前情報によれば、新たなヤンプターはどうやら一同の希望通り、若者とのことであった。そして、なんと現在も、或る米国の大学の上海校に通っている青年とのことである。幼少期から米国で過ごし、且つ野球もその頃からやっていたというのだから、筆者の妄想は勝手に大きく膨らんでいく。米国と言えば巨漢大国であることは言うまでもなく、また野球といえば生粋のアスリート競技だ。上記の情報を基にした筆者のプロファイルによれば、身長1m90cm / 体重120kgのゴリゴリのスラッガータイプという結果が算出された。下手すればあった瞬間に”What’s up, メーン??”というファンキーな米国流挨拶も飛び出るかもしれない。試合中にはバブリシャスガムを噛みながら、唾を吐き散らす可能性も考慮に入れる必要があるだろう。筆者の脳内コンピューターがプロファイリングを進めるうちに、徐々に希望から畏怖の念に変わっていく。
そんな妄想を繰り広げながら、集合場所の古北ローソンを後にし、ヤンプターズを乗せたバスは小雨がアスファルトを濡らす中、試合会場に向かった。
 
バスが会場につくと、筆者は真っ先に噂の新たなヤンプターを探すこととした。
身長が190cmもあれば、きっとすぐに目につくはずだ。きょろきょろとあたりを見渡してみるが、そんな大柄バブリシャス男はどこにもいない。そのまま徐々に球場のベンチの方へ歩みを進めても、そんなバブリシャスファンキーガイは一向に見当たらない。
変だな、と思っていると、既に球場に到着していた選手から、“今日から参加のリンタロー君”と突然紹介を受けた。すると横には、非常に礼儀正しそうな、整った顔立ちの色白の青年がそこに立っていた。そう、偏見まみれの筆者プロファイリングは大きく計算を誤っており、実際はこのイケメン色白好青年こそ、新たなヤンプターだったのだ。
りんたろーと聞けば、昨年頃から巷を沸かせている某芸人が真っ先に頭に浮かんだ筆者は、“りんたろー。とぉ~!かねちぃでぇ~!EXITでぇ~す!!”とフルテンションで先制ジャブと打ってみたが、当人は戸惑いと共に愛想笑いを浮かべるものの、その目の奥は全く笑っていない。そう、この好青年はおっさんのくだらない先制ジャブ絡みには付き合ったら負け、という世の理を理解している。さすがの秀才である。
ちなみに、究極の余談だが、EXITのりんたろー。や、モーニング娘。のように、芸名やグループ名の最後に“。”が付く芸能人をたまに見かける。然し乍ら、藤岡弘は、「藤岡弘。」ではなく、「藤岡弘、」と、最後に“、”が付いている極めて稀有な芸能人である。この理由を皆さんは御存知だろうか。その理由は、①昔の武将は、一度“、”を打って決意を決めていたことから、周囲に流されることなく自分を見つめるという思い、②自分はまだまだ未完成だという思い、③自分は「てんでダメな男」という洒落、の3つが理由だそうだ。さすがサムライマインドを有する漢の中の漢。いろんなことを考えているらしい。
いや、藤岡弘関係情報はマジでどうでもInformation。ヤンプターズの活動に全く関係ない。話を元に戻そう。
 
そんなこんなで、ヤンプターズは新戦力として色白イケメン好青年のりんたろーを加え、秋リーグ初戦に臨む。
初戦の相手はリーグ唯一の台湾人から構成されるチーム。昨季の春シーズンの最終戦、なんとヤンプターズが敗北を喫しているだけに、開幕からエンジンをかけるべく必勝としたい相手だ。
 気になる今日のスタメンは以下の通り。

①右 坂本
②三 吉原
③遊 塩谷
④捕 大石
⑤打 神村
⑥一 中西
⑦左 砂田
⑧二 石田
⑨中 山田
投手 椿
控え 山下、蒲生、魚井、中井、田中(倫)


日本への一時帰国を行っていたことから開幕戦には間に合わない選手も若干名いるが、今日のヤンプターズの戦力も全く問題ない。
足場こそ悪いが、雨が一旦降り止んだところで、遂にプレイボール。

試合は相手の先攻からスタート。四球と安打で早速ランナーを背負うヤンプターズだが、何とかこれを凌ぎ、初回を0点で終える。その裏、ヤンプターズも先頭の坂本こそ倒れるも、2番の吉原、4番の大石が四球を選びつつランナーを溜めると、相手のバッテリーエラーの間に脚を活かした吉原が生還。幸先よく1点を先制する。しかし後続が、前回も登板した相手の剛腕投手の前にねじ伏せられ、ヤンプターズは先制こそするが序盤は両者ともに睨み合いが続く格好。
続く2回の相手の攻撃。相手の先頭である5番打者に対し投じた4球目。力でねじ伏せた打球は、なんでもないレフトフライ風味の打球。普段であれば取れるはずの打球を、左翼手砂田が見失い、なんとそのままレフト前へポトリと落ちてしまう。
なんと、このころ既に球場のあたりは暗闇に包まれており、ナイター照明こそついてはいるが、外野側の照明は点灯されていない状態であったのだ。
"ハードなコンディションの中の試合であれば斯様なことも起きるだろう"と言わんばかりに、至って冷静沈着なエース・椿は顔色一つ変えず次の6番打者と対峙する。その初球、相手打者の打球は力ないフライと成り、キャッチャーの頭上へ。キャッチャーの大石、落下点に入りオーライオーライと声をかけ、捕球体制に入りグラブを閉じるも、なんと爆裂スピンによりグローブからSay good-bye。なんとこれを落球。尚、この時のボールのスピン回数は浅田真央のトリプルスピンの7兆倍であったと、キャッチャーの大石は後に語っているらしいが、真実のほどは定かではない。
やっちまった、と大石が恐る恐る椿の顔を覗き込むと、やはりこれも計算内だったのか、やはり顔色一つ変えていない。よかったよかった、と胸を撫でおろした次の瞬間。落球の後に投じた球を、あろうことか、痛打され、左中間を抜く二塁打となる。
この時に肝を冷やしたのは言うまでもなくキャッチャーの大石だ。
今、他人事のように書いているが、このキャッチャーの大石というのは筆者のことだ。
もし自分が確り捕球をしていれば斯様な事態にはなっていないのだから、責任を感じてしまう。“バッター、空気読めよ”という半ば八つ当たりの様な独り言を脳内でつぶやく有様だ。
そして、これを受けた椿のリアクションを確認すべく、念のためもう少しじっくり顔を覗き込んでみる。一見何も表情は変わっていないように見受けられるが、これは一般大衆の感覚に過ぎない。椿関連の研究を得意とする有識者の大石からすれば、やや眉毛の角度が急になっていることを視認した。これは危ないシグナルである。皆様方は御存知ないかもしれないが、これは怒りや味方に不満があるといった負の感情ではなく、単純に“なんでやねん”というツッコミのサインである。
野手のミスでノーアウトランナー2・3塁という大ピンチに陥る形となったヤンプターズだが、こうなったら椿のエンジンがかかってくることは言うまでもあるまい。
続く打者を火の出る様なストレートで三振に切って取り、先ずは1アウト。
続く打者もファーストゴロに打ち取るが、これがなんとフィルダースチョイスと成り、1アウトランナー満塁と更にピンチが広がる形となる。
改めて椿の顔を覗き込むと、筆者の目からは、もはや般若の様な顔をしているように見えた。
実際は顔色一つ変えていないのだが、大いにバイアスがかかっている大石ビューでは、鬼神の様な形相としか思えない。
これは怒りの表情などではなく、相手バッターを捻じ伏せる、いや、捻じ伏せ散らかすための表情である。こうなった椿はもう誰にも止められない。
その形相(by大石ビュー)の通り、なんと後続を二者連続三振に捻じ伏せ散らかした上に、この回のアウトは全て三振で取るという、“相手打者捻じ伏せ散らかしフェスティバル2021・秋“を一人で開催したのだった。
2回のヤンプターズ攻撃こそ無得点に終わるも、3回の相手の攻撃は、捻じ伏せ散らかしフェスティバルを引き続き絶賛開催中の、椿(鬼神モード)が大きく立ちはだかる。先頭打者こそ野手のエラーで出塁し、このランナーが盗塁を試みるも、捻じ伏せ散らかしフェスティバルの神輿を担ぐべく、大石がこれを刺殺。更に、続く2人の打者を連続三振に捻じ伏せ散らかし騒ぎ、もう椿は大明神モードに入った。
その裏、雨が再度強くなっていたこともあり、相手投手の圧力が徐々に弱まると、坂本・中西のヒットを含みながら相手の度重なるバッテリーエラーも相まって、4点を追加。
時間制限により、そのままゲームセット。
ヤンプターズは5-0で秋リーグの初戦を無事に飾った。
 
新戦力を迎えながら全員野球でまず1勝をもぎ取り、幸先の良い発進を迎えたヤンプターズ。
今日こそ新戦力・リンタローの出番はなかったが、そのベールを脱ぐ日も近いだろう。

秋シーズンの悲願の優勝に向け、ヤンプターズの戦いはまだまだ続く。
 

(写真:試合終了後のヤンプターズ)

上海草野球チーム「ヤンプターズ」公式サイト

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